【妊娠中のお酒】飲酒・アルコールの影響は?注意したい飲食物なども紹介
「妊娠後期の過ごし方~赤ちゃんに会えるまであと少し~」
2023.11.29
記事監修
安田恵理子先生
日本口腔衛生学会専門医
日本産業衛生学会 産業歯科保健部会長
妊娠後期になってくるとお腹も随分大きくなって、胎動といって胎児がお腹をポコポコ元気に蹴るのを感じたり、時にはグニューッと足なのか腕なのかお腹を押して来てお腹が出っ張るのを感じることが、私も度々ありました。
歯科診療中になぜか診療チェアから少し水が出てるなと思ったら、チェア機器を無意識にお腹で押していたようで、衛生士さんに「先生またお腹で押してますよ。」と言われたり(笑)
私は妊婦としては動き過ぎていたので、臨月の2カ月前から休養し、最後の?ゆっくりしたひとときを過ごしたり、運動不足にならないようマタニティスイミングにも行ったことは出産時のいきみの練習にもなったかなと今ではかけがえのない楽しいマタニティ生活の思い出です。
赤ちゃんに会える日も近いと楽しみな頃です。
栄養もしっかり摂らなければいけませんが、妊娠高血圧症候群にならないように塩分を控えめにして、肥満にならないように食生活には気をつけましょう。
妊娠前から高血圧や糖尿病、肝臓や腎臓に持病がある方はリスクが高まるとされていますので、妊娠中の食生活は本当に大事です。
別のコラムで、糖尿病と歯周病は関連があることに触れました。
歯周病菌の活動中に出てくるTNF-αが血糖コントロールするインシュリンを抑制してしまうためです。
血液検査で糖尿病の指標のひとつであるHbA1cの値が歯石除去など口腔メンテナンスを受けると改善されますので、内科と歯科が連携して糖尿病の治療や管理をしています。
くれぐれも歯磨きや口腔ケアは生活習慣として続けて下さい。
歯周病が早産や低体重児出産に関連していることを別コラムでもお話しました。
また脳血管疾患や心臓疾患等、様々な全身の疾患にも関連していると言われています。
一生の間、歯周病管理は本当に重要だということを忘れないで下さいね。
また、タバコは末梢血管を収縮させるので歯周病を悪化させますし、早産・流産・低体重児出産のリスクを高めますので、禁煙しましょう。
もしタバコを吸っていなくても、タバコを吸っている人が家族や周りにいると受動喫煙によって吸っている人と同様の影響を受けるので、皆様で協力して禁煙に取り組んでいきましょう。
従来のタバコはもちろん、おしゃれに見える電子タバコも悪影響は同じです。
妊娠中だけでなく、禁煙も一生気を付けていかないといけません。
お酒は胎盤通過するので胎児に影響しますから、妊娠中は控えて下さい。
なんでもダメダメと禁止ばかりでイヤだなと、堅苦しいなと思わないで下さいね。
妊婦になったおかげで、今まで知らなかったことがわかるきっかけになったなと前向きに思っていただければと思います。
こうしてヘルスリテラシーが向上してごく当たり前のことになっていくのは、親になっていく上でも将来の子育てにとっても、とってもラッキーなことですものね!
記事監修
安田恵理子先生
日本口腔衛生学会専門医
日本産業衛生学会 産業歯科保健部会長
プロフィール
1988年 朝日大学歯学部卒業後、神戸市立中央市民病院歯科口腔外科研修医から歯科医師としての臨床スタートをし、兵庫医科大学大学院(口腔外科)で医学博士取得。子育てを通して予防の大切さを感じ、現在、大阪歯科大学歯学部口腔衛生学講座非常勤講師、COH労働衛生コンサルタントとして教育および企業での健診など予防啓発活動に従事し、またクリニック勤務で歯科臨床にも携わっている。