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「赤ちゃんのために 妊婦さんは何食べる?」

2023.05.25

記事監修

安田恵理子先生

日本口腔衛生学会専門医
日本産業衛生学会 産業歯科保健部会長

「おめでとうございます!」超音波画像に写ったこの小さな豆粒のようなもの、私の息子です。産婦人科医の先生にそう言われて、「私がお母さんになる?」って不思議な気持ちと嬉しさを感じた日、懐かしいです。
このコラムを読んでいるあなたも、そんな感じでお母さんへの第一歩、歩み始めているんですね?

この頃って、お腹もまだ膨らんでなくて、まさか新しい命が授かっているとは見た目にはわからないですよね。でも実はもう「赤ちゃんの歯の赤ちゃん」も生まれ始めているんですよ。妊娠7週頃から歯胚という歯の芽ができて、乳歯になります。永久歯の歯胚も妊娠4~5カ月頃からでき始めます。
下の絵で帽子のように見えるところは、歯の表面のエナメル質になります。

そして乳歯が石灰化して硬いエナメル質になっていく過程も、妊娠4か月頃から始まります。あなたの食べるものが利用されて、お腹の中の赤ちゃんの身体が作られていきます。歯もそのひとつ。しっかりとバランスの良い食事をして、丈夫な歯を作ってあげましょう。生まれて来るまでに、あなたが赤ちゃんにしてあげられる素敵なプレゼントになりますよ。

じゃあ、どんなものを食べれば良いでしょう?
まずは、基礎を作るたんぱく質。豆腐や牛乳、卵、魚やお肉ですね。
エナメル質を作るためには、ビタミンA。にんじんやほうれん草、レバー等です。
歯の石灰化を助けるものとしては、カルシウムやリン。カルシウムはチーズやしらす干し、ヒジキ等に豊富です。リンは卵、お米、牛肉、豚肉等に含まれます。
石灰化やカルシウム代謝には、ビタミンDも必要です。牛乳やバター、卵等食べ物だけでなく、太陽の光を浴びることも、とても大切です。
そして歯の表面のエナメル質の内側に存在する象牙質を作るためには、ビタミンC。ミカン等果物や、さつまいも、ほうれん草等に多く含まれますね。
でも、つわりでしんどい時、食べるのもつらい時には無理しないでね。神経質にならなくでも大丈夫ですよ。

さあ、あなたの赤ちゃんが生まれて会える時までの、一心同体の楽しいマタニティライフのスタートです!赤ちゃんとあなた、どちらの歯も大切にしたいですね。あなたがhappyだと、赤ちゃんも心地よくお腹の中で過ごせます。歯っぴいになれる歯の情報を、このコラムシリーズでお伝えしますので、お楽しみに!                       

記事監修

安田恵理子先生

日本口腔衛生学会専門医
日本産業衛生学会 産業歯科保健部会長

プロフィール

1988年 朝日大学歯学部卒業後、神戸市立中央市民病院歯科口腔外科研修医から歯科医師としての臨床スタートをし、兵庫医科大学大学院(口腔外科)で医学博士取得。子育てを通して予防の大切さを感じ、現在、大阪歯科大学歯学部口腔衛生学講座非常勤講師、COH労働衛生コンサルタントとして教育および企業での健診など予防啓発活動に従事し、またクリニック勤務で歯科臨床にも携わっている。

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