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丁寧な対話で深まる夫婦の絆。育児休暇中に見えてきた、叶えたい未来

2024.10.09

この人に聞きました

三木 純也(仮名) さん

30代・会社員2カ月の女の子

大阪府在住。IT系企業のコンサルティング部門に所属しており、現在は半年の育児休暇中。最近筋トレを始めてすっかりハマりました。子どもが自慢できるかっこいいパパを目指します!


今回ご登場いただく三木 純也さんは、初春に第1子である娘さんが誕生し、半年間の育児休暇中。赤ちゃんのお世話にもやっと慣れてきたと、とても嬉しそうな笑顔が印象的です。

奥さんの彩花さん(仮名)とはスピード婚だったそうで、お話の冒頭「出会ってすぐに『この人と結婚する』って確信したんです」とロマンチックなエピソードを教えてくださいました。
聞けば、家族観や人との関わり方がとても似ているのだとか。「私たちは伝え合うことをすごく大切にしているんです」そう語る純也さんに、ご夫婦のあり方や育児休暇中に考えたことなどをうかがいました。


「あ、この人と結婚する」
そう思える出会いで人生の方向性が決まった

出会いから結婚までを振り返って「すごく早かった」と語る純也さん。実は関東出身の純也さんは、大阪に住み始めて間もなく彩花さんと出会い、結婚の予感を抱いて定住を決意したのだとか。

純也さん妻とは価値観や人間関係で大事にしていることが似ていて、すごく通じるものを感じました。いちばん共鳴したのは、対話を重視していること。性格や考え方は違う部分も当然ありますが、嬉しいことも感謝も、気になることもぜんぶ伝える。ズレがあっても、それを共有して一緒に中間地点を探せる。話してわかり合える安心感があります。

出会った頃からいろんなことをたくさん話してきたという三木さんご夫婦は、2023年にご結婚、2024年初春に第1子である娘さんが誕生しました。

純也さんお互いに家族と過ごす時間を大事にしたいタイプで、にぎやかな家庭が夢。そんなところでも意気投合して、一緒になる前から「結婚したら子どもは3人ほしい」と話していました。私自身は3人きょうだいで、きょうだいのいる暮らしが良かったなと思っていて。逆に妻はひとりっ子で、だからこそきょうだいのいる環境に憧れているみたいでした。
出会った時点でお互い20代後半だったので「1人目は早めに生みたいね」と話していたところ娘を授かったので、すごく嬉しかったです。

小さなストレスとも無縁でいてほしい。
できることから一つずつ

子どものいる家庭を夢見ていた純也さん。その実現を前に、ご自身でもいろいろ変化があったそうです。
たとえば、以前は愛煙家だったところ、奥さんの妊娠がわかった瞬間からきっぱりと非喫煙者に。また彩花さんのサポートに徹しようといろいろな情報を集めて自らも出産、育児を学び始めました。

純也さん幸いにも、妻の妊娠期間はひどいつわりもなく比較的順調で、産休に入るまでは仕事も頑張っていました。でも初めての妊娠・出産で妻も不安なことはたくさんあったと思います。
私自身は何事も信頼できる情報をベースに判断する性格ですが、私自身が妊娠しているわけではないから「○○だからきっと大丈夫だよ」なんて軽々しく言えません。まずは妻の気持ちの部分に寄り添うことを最大限心がけて、不安を軽くするのに役立ちそうな話題を共有したりしていました。

純也さんが特に心を砕いたのが、彩花さんが日々のストレスを積み重ねないようにすること。リモートワークだった純也さんは、オフィス勤務の彩花さんが帰ってくるのを毎日駅まで迎えに行き、並んで歩く時間で一日の出来事や奥さんが話したいことを聞くようにしていたのだとか。
ここで、インタビューをそばで見守ってくださっていた彩花さんがひとこと。

彩花さんいつもと体調が少し違って心配になったとか、仕事がうまくいったとかいかなかったとか、そういう何気ない話を帰ってきていちばんに聞いてもらえることが心の安定に繋がりました。

話題を共有することでわかり合い、心の助けになる。なんともほっこりするご夫婦エピソードですね。

不安とは知識不足から来るもの。
妻を支えるために必死に勉強した

妊娠期間中、大きな問題なく出産まで過ごせたという三木さんご夫婦。ですが一つだけ、彩花さんは心配なことがあったそうです。
それが、お腹の赤ちゃんが逆子だということでした。早めに判明してからは、帝王切開での出産を予定しながらも逆子の状態を直すためにいろいろ取り組んでみたりもしたそう。

彩花さんはじめの頃は「子どもは3人ほしいと思っているのに、帝王切開すると次の妊娠まで期間を空けなくてはいけないのか」って少し焦りを感じました。
それに1人目が帝王切開での出産だと、下の子も帝王切開になる可能性が高いんですよね。自然分娩じゃないから、このままだと私は陣痛を感じることがないんだなあって少し淋しさを感じたりもして。
母体が冷えていると逆子になりやすいと聞き、赤ちゃんが大きくなるまでは体を冷やさないように気を付けて、もともと冷え性だったので体を温めるためにお灸にも通いました。

純也さん私としては母子ともに元気でいてくれればありがたかったんですが、妻は初めての子どもだし自然分娩で産みたかったようで、残念な部分もあったと思います。せめて妻の負担が軽くなればと、帝王切開のメリットを調べて、そちらに目を向けられるよう寄り添ったつもりです。

彩花さん夫のフォローがありがたかったですね。結局、私たちがいろいろ工夫してもお腹の子は全然動じなくて逆子は直らず。最後には『そっか、あなたはこの位置が好きなんだね』って、なんか納得しちゃいました。(笑)

当時を思い出したのか、純也さんと顔を合わせてほほ笑む彩花さん。そこに純也さんが言葉を添えます。

純也さん私がうまくできたかどうかは別として、妊娠中、男性は奥さんの心と体のケアに全力を尽くすことが大事だと思いました。
特に初めての出産だとわからないことだらけで、みんな不安が大きい中でのスタートになりますが、今の時代はネットでたくさん情報を得られます。
一般的な流れから夫として気を付けること、出産する奥さんをサポートする心構え……。不安というものは知識不足からくると思うので、まずは正しい知識を頭にしっかり入れて、奥さんをサポートする体制を整えること。わからなければ、いちばんがんばってくれる立場の奥さんにお伺いを立てるのが正解だと思います。
妻の妊娠・出産をとおして、全力でサポートするとお互いに不安を解消できるし、家族全体が良いバランスになれるんだなと実感しました。

育児休暇を取得して良かった!
自分を振り返り、見えてきたもの

現在、彩花さんは産後休暇から育児休暇に切り替わるタイミングで、純也さんは半年の育児休暇中。純也さんの職場復帰は夏のお盆休み明け頃の予定です。

純也さん妻の妊娠がわかったときから絶対に取得したかったんです。職場では男性が育休に入る先例が少なかったので、大丈夫かな……と思いながら上司に申し出ましたが、実際に育児申請した後は周囲も協力的でこちらが驚くくらいでした。偶然これまで取得しようとする人がいなかっただけなのかな? 皆さん理解があってありがたいです。
おかげで今は家族3人すごく濃密な時間を過ごしていて、娘の日々の成長を妻とリアルタイムに共有できるのが嬉しい。第2子を授かったら、そのときには育休を1年間取得したいと考えています。

育児休暇に入り新しい家族の時間を過ごす中で、純也さん自身にも改めて見えてくるものもあったそう。それは自身の人生観でした。

純也さん「何よりも家族を優先する人生を送りたい」その思いが揺るぎないものになりました。
私は30代に入ったばかりで、世間的にはキャリアに弾みがつく頃合いに半年間の育休を取得しています。同じタイミングで子どもを授かった男性で、育休を取得できる環境があったとしても、復帰後のキャリアに不安を覚えて足踏みする人がいるかもしれない。そこは人それぞれですよね。
ただ私は育休を取得したことにマイナスな感情は一切ありません。
仕事も大切で、特に子どもが3人ほしいと考えている以上は、仕事もがんばって育て上げるだけのお金を稼がなくてはいけない。でも私も妻もお金をたくさん使う生活が正解だとは思っていなくて、キャリアアップの優先度はそんなに高くない。
育休期間を過ごしてみて、自分の人生観がはっきりしました。

対話を重視するという三木さんご夫婦は、今後のことについてもたくさんの言葉を交わしているそうです。

純也さん自分たちにとってどういう暮らし方がバランスが良いのか、将来を具体的に描くために毎日いろんなことを話します。これからも日々のこと一つひとつを大切に伝え合って、一緒に幸せな時間を過ごしていきたいです。

文 Atsuko Yoshimura
写真 Kyoto Tanaka

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出産入院からの退院後に撮影した写真です。「人は名前のとおり育つ」といいますから、「いつでも前向きに生きられる人になってほしい」と願いを込めて妻と決めました。ちなみに逆子だったので生まれるまで性別がわからず、男の子用と女の子用の名前を考えていたのもいい思い出です。

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