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第二子出産を前に感じる長女の変化。成長を喜びつつ、親として考えておきたいこと

2024.04.22

この人に聞きました

汐田 悠子(仮名) さん

30代・専業主婦3歳の女の子

第二子の出産を控えるママ。出産後は2人の子育てで忙しくなるので、最近は「今のうちに」と夫がお休みの日に上の子を預け、ママ友と落ち着いたお店のランチを堪能するのが息抜きの一つ。


今回ご登場いただく汐田さんは、現在、第二子を妊娠中。
上の子に続いて女の子の予定だそうで、長女さんは「私も赤ちゃんのお世話するんだ♪」と、お姉ちゃんになる日を楽しみにしているのだとか。新しい家族を迎える日を心待ちにするなか、近ごろは長女さんと旦那さんの間に思いがけず嬉しい変化もあったそうで……。
汐田さんに第二子出産を前にした心境や、家族への思いについてお話しいただきました。


「自分がどれだけつらくても」
なってみて初めて、親という存在の強さを知った

汐田さんとお会いしたのは、出産予定日まで2カ月を切った頃。
まずは長女さんの妊娠から出産、これまでの育児について印象的だったことを尋ねてみると、「妊婦さんとか出産後のママさんってキラキラして見えていたんですけど、実際は違いました」と、あっけらかんとご自身の苦労話を披露してくれました。

汐田さん街中やSNSで見る子連れファミリーって私にとってすごく輝きを放つ存在で、「子育てって、つらいことがあってもそんなの吹き飛ぶくらいハッピーの連続なんだろうな」ってずっと思っていたんです。でも自分がその立場になってみると、「あ、つらいものはつらいんだ」ってわかりました。(笑)
でも、だからこそママやパパの笑顔って強いんですよね。

つわりの大変さや体調管理、出産が終わってからも数時間おきの授乳に、子どもから目が離せないプレッシャー。汐田さんは「自分が大変な時でも子どもに笑顔を向けるのは大事な存在だからで、気力・体力を振り絞って笑うこともいっぱいある」と経験を語ります。

汐田さん今の住まいは私の地元ですが、長女を出産した頃は夫の仕事の関係で知り合いのいない別の地方に住んでいました。里帰りが終わって当時の家に戻った頃は孤独感でいっぱいで、育児ノイローゼになる人の気持ちがわかるって思ったりもしましたよ。
私の場合は「このままじゃダメになるかも」って近所の公園に行くようにして、そこでママ友ができたので救われました。

今は幼稚園が一緒のママさん達との交流も多く、不安なく過ごせているとのこと。身近に話せる友人がいるのって大切ですね、と汐田さんは説得感たっぷりに話します。

汐田さん他に大変だったことといえば離乳食です。最初は食べてくれない食材が多くて。
昨日食べたものを今日は嫌がったり、形や味付けで食べる・食べないがあったり、食べたと思っていたものが食器の かげに隠されていたり。私も初めてだったので、つい神経質になって「このままお菓子しか食べられなかったらどうしよう!?」って悩みました。 でも3歳になった今は、苦手な食材もあるけどいろいろ食べてられるようになり、「時期が来れば食べてくれるものだったんだな」って安心しました。
悩んでいた期間はずっとつらかったですけどね。
そんなこんなで私なりにいろいろあり、でも娘は可愛くって仕方がなくて「街中でニコニコしてるママさん達も、見えていないところではすごく苦労してるんだろうな。お互い頑張ろうね!」って、心の中でエールを送っています。

そう話すと、汐田さんは隣に座る長女さんにニッコリ笑いかけてから、「長女が『ママ大好きだよ』って言ってくれるのが、たまらなく嬉しいんです」と教えてくれました。

第二子出産を前に夫婦で考えるのは、
暮らしが変わる第一子のこと

続いて、第二子の出産を控えていることについてお話を聞きました。
長女さんと同じく女の子の予定だそうで、「経過は順調です。子どもが2人になったらしばらくはバタバタしそうなので 、夫に協力してもらっては友人たちと出かけて“遊びだめ”しているんですよ」と朗らかな笑顔を浮かべます。

汐田さん周りからはよく「きょうだいの年が近いと子育てが大変」って聞きますが、うちは上の子がだいぶお姉ちゃんになってきたから少しはラクかも? と期待しています。

産んでみないとわからないですけどね、と汐田さん。たしかに年が近いと小さい頃のお世話が大変だという話は耳にしますが、汐田さん家の姉妹は4歳差になりますね。
幼稚園に通う長女さんは、すでに周りにお姉ちゃん・お兄ちゃんになったお友だちもいて「私もお姉ちゃんになるんだ!」と楽しみにしているそう。

汐田さん離乳食で手を焼いたのは本の数カ月前なのに、3歳になった頃から手がかからないようになって、こちらの話を聞いてくれるしお手伝いもしてくれるし、すごく成長を感じます。
私がつわりで苦しんでいた時なんか、心配して声をかけたりタオルや飲み物を用意したりしてくれたんですよ。

そんな長女さんの成長を嬉しく思いつつも、一方で「夫とは、今後上の子のフォローもしっかり考えていこうねって言っているんです」と語る汐田さん。
長女さんの心境の変化に敏感でいようとご夫婦でお話しされているそうです。

汐田さん第二子の出産予定日が近づくにつれて、旦那とは第一子のケアについてよく話すようになりました。
というのも、うちの長女は身近な親族の中で唯一の子どもなんです。物心がつく前からこれまで、ずーっと両親からも祖父母からも愛情を一身に受けてきました。
今は「私も赤ちゃんのお世話する! 楽しみ!」と言ってくれていますが、長女にとってはパパやママをひとり占めしていた当たり前の毎日が変わっていくことになるので……。その変化を本人がどんな風に受け止めるのか、少し不安もあります。

きょうだいの誕生をきっかけに上の子が赤ちゃん返りをする、これもまた良く聞くケースです。汐田さんご夫婦もその点をどうフォローしていくかを考えているそう。

汐田さん夫と話しているのは、娘に「周囲の大人が赤ちゃんばかりを見ている」と思わせないようにしようということです。
私たちにはどちらも大事な子どもですが、やっぱり赤ちゃんのお世話に気を取られてしまうと「パパとママを取られた」って不安に思っちゃう部分もあるのかなあって。
そう考えると、長女は成長している分自我がしっかりあるから、今まで以上に声をかけて、さびしい思いをさせないようにしようねって話しています。

「パパと2人でお出かけする♪」
予想以上の仲良し親子に進化した夫と娘

そんなお話を聞く中で、実は第二子の妊娠以降、嬉しい変化もあったのだとか。

汐田さん妊娠初期はつわりがひどくて 、私が長女を遊びに連れて行ってあげることができず、その間は夫が1人で娘のことを見てくれる時間が増えました。
それまでも公園に少し遊びに行くことはあったんですが、2人きりで一日中っていうことはなかったんじゃないかなあ。私のつわりが治まるまで、夫と娘にとってすごく濃い時間を過ごせたみたいです。
そしてその頃から娘は何かといえば「パパ、パパ」って言うようになったんですよ。驚きの変化です!

汐田さんの横で最近の好物だというミルクたっぷりコーヒー(牛乳にコーヒーを少しだけ混ぜたもの)を飲む長女さんに、「パパのこと好きなんだ?」と尋ねると、「大好き!」と照れたような笑顔が返ってきました。

汐田さん前はパパと2人きりとわかると「ママも来る?」と私を呼んでいたのに、今ではパパと2人で出かけることが楽しいみたいで「パパとデートに行きたい!」って言います。
先日は夫と出かけて映画館デビューして、ポップコーンとコーラを買ってもらってゴキゲンだったって聞きました。近くの商業モールに行けばゲームで遊んで、おもちゃも買ってもらって……パパは甘やかしてくれると学んでいますね。(笑)
そのおかげで私も友人と出かけたり、1人の時間を持てたりするのでありがたいですが、それ以上にパパという存在が娘にとって身近になったことが嬉しいです。

長女さんの変化は他にも。つい先日はひとりでご近所のおじいちゃん・おばあちゃんのお宅にお泊まりもできたのだとか。

汐田さん私の実家が近所なのですが、本人の希望で一人でお泊まりしました。途中で「やっぱり帰る」って泣いちゃったりしないかな、夜中に呼び出しがあるかも?って身構えていたんですが、まったくそんなことはなく、すごく楽しかったそうです。
次の出産入院中は両親が長女を見てくれる予定なので、先に経験できてよかったなと思うし、この間まで何かといえば「ママ、ママ」だったのが、成長したなあってジーンときました。

長女が妹の誕生を楽しみにしてくれている、その気持ちを大切にしたいです。
そして「妹ができてうれしい!」がそのままずーっと続いていくよう、親として上手に配慮していきたいなって思います。

新しい暮らしを前に、長女さんの成長で家族関係が深まった汐田さん一家。これからも皆さんのしあわせな毎日が続くことをお祈りしています!

文 Atsuko Yoshimura
写真 Kyoto Tanaka

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最近、長女と一緒によくお菓子作りをします。ホットケーキにクッキーに……卵を割ったりかき混ぜたり一生懸命な姿がかわいい! ただ作るのも食べるのも同じくらい大好きだから、マドレーヌ作りの時にはチョコチップを仕込むところでチョコチップをつまみ食いしていました。(笑)

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