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「矯正について」

2024.04.18

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記事監修

安田恵理子先生

日本口腔衛生学会専門医
日本産業衛生学会 産業歯科保健部会長

乳歯は永久歯との生え変わりのスペースとしても、乳歯間に隙間がある方が良いのですが、最近のお子様はほとんど大人の歯のように隣り合った歯の隙間がありません。

大人の歯が綺麗に並ぶ為にも、しっかり噛んで顎を成長させてあげることが大切です。
でも遺伝もあったりで、かみ合わせが悪くなってしまうことがあります。
どうしてもの場合、矯正も考えてみるのも良いです。

歯は少しの力でも簡単に移動します。
歯の移動する方向の歯槽骨は吸収され、移動した後の歯槽骨は添加されて移動した後も
安定します。
後戻りがおこらないためには、舌や唇の力も影響しています。
日頃からの生活習慣として唇や舌の動き、咀嚼の仕方を身につけてあげましょう。
歯科医院の方でそうしたトレーニングをしてから、実際に矯正をするということも
あります。

矯正は、見た目の審美的なことだけに意識がいきがちですが、実はそれ以上に咀嚼がしっかりできるようになり、歯磨き等のセルフケアがしやすくなることからむし歯や歯肉炎(ひいては歯周病)の予防にもなります。
そういう意味では長い目で考えても、とても有効な処置でもあります。

矯正には成長段階に応じて第1期と第2期があります。

第1期は、永久歯が生え始めて全部生えそろうまで(だいたい小学生の間)、顎の成長にも関わるので上顎に入れ歯のような装置を入れて骨の成長を促すようなことをしたり、遺伝から下顎の成長が強すぎる場合はキャップを装着したりということもするかもしれません。

この時期に上手くいくと、第2期には矯正しなくても良くなる場合もあります。
第2期は永久歯が生えそろってからで、中学生以降で大人と同じようにブラケットにワイヤーをつけて矯正をするのが主流です。
どういうタイプの不正咬合なのかX線写真や模型等、ご家族の遺伝等を調べて検討してもらいましょう。

よくご家族で話し合って、本人のやる気もみながら取り組みましょう。

矯正に対してまだ周りの理解が整っていなくて、お子様が精神的にしんどい時は無理をさせないようにしましょう。

矯正装置がついている時は歯磨きもしにくいところが出てきますので、むし歯にならないよう気を付けましょう。
そういう意味でも、フッ化物配合歯磨剤やフッ化物洗口は取り入れていくのが良いですね。

もっと大人になってからでも矯正は出来ます。
いつの時期に矯正するのが良いか矯正専門の先生に相談してみましょう。

ワイヤーが目立ってイヤだと、マウスピースタイプで目立たないのが良いとか思うかもしれませんが、必ずどういうタイプの不正咬合なのかを調べてもらってどういう矯正の仕方が合うのかを説明してもらって下さい。
歯は一生の健康の大元になりますので、大事にして下さいね。

記事監修

安田恵理子先生

日本口腔衛生学会専門医
日本産業衛生学会 産業歯科保健部会長

プロフィール

1988年 朝日大学歯学部卒業後、神戸市立中央市民病院歯科口腔外科研修医から歯科医師としての臨床スタートをし、兵庫医科大学大学院(口腔外科)で医学博士取得。子育てを通して予防の大切さを感じ、現在、大阪歯科大学歯学部口腔衛生学講座非常勤講師、COH労働衛生コンサルタントとして教育および企業での健診など予防啓発活動に従事し、またクリニック勤務で歯科臨床にも携わっている。

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