【産後の体のケア】産褥期とは?体の変化や対処法を説明
「歯が抜けた!Part2」
2024.03.27
記事監修
安田恵理子先生
日本口腔衛生学会専門医
日本産業衛生学会 産業歯科保健部会長
乳歯はどうせ抜けるから、むし歯になって抜けてもどうってことはないとか思って
いませんか?
乳歯の根っこの下に入れ替わりに生える永久歯が顎の中で成長しながら、乳歯の根を溶かしていき、乳歯がグラグラになって抜けて永久歯が生えます。
生え変わる時期は個人差がありますが、だいだい決まっていて来るべき時がくれば生え変わるのです。こうした「歯が抜けた!」は良いのです。
でも、乳歯がむし歯になって予定より早く抜けてしまったらどうなるのでしょう?
歯は簡単にちょっとした力で移動します。
また、力がかかってなくても隣り同士の歯がちゃんと触れていないでスペースが開いていると前へ前へと移動します。
すると、後に生える準備をしている永久歯の生えるスペースが狭くなって、永久歯が外側に向いて生えてきたり、ねじれて生えてきたり、歯並びがデコボコになってしまったり、かみ合わせが悪くなったりします。
すると歯磨きもしにくくて、せっかく生えた永久歯もむし歯になってしまいます。
そうならないよう、やはりむし歯対策は重要なのです。
人間は一度しか歯が生え変わらないので、6歳頃から小学校の間に生えそろう永久歯はおじいちゃん、おばあちゃんになるまで大事にしないといけませんね。
今、冷蔵庫やエアコン電化製品の耐用年数が10年くらいというのを考えると、歯は何十年も頑張ってもらわないといけないので、メンテナンスが大事というのもわかっていただけるのではと思います。
乳歯は全部で20本、永久歯は全部で28本(親知らずの歯が生える人もいるので、その場合は最多で32本です。)生えます。
入れ替わって生える永久歯だけでなく、乳歯の奥歯のさらに奥の場所に6歳頃に新たに生える第一大臼歯は別名6歳臼歯とも言われ、かみ合わせの要として一生大事です。
特に、生えて間もない歯はエナメル質がまだ未熟で石灰化が途中段階ですので、むし歯になりやすいので気をつけましょう。
6歳以上になると大人と同じフッ化物の濃度が入った歯磨き剤を使って、その予防に取り組んでいきましょう。
コラム「うがいが上手に出来るようになったら」でもお話したように、フッ化物洗口も組み合わせていくとさらに良いですね。
乳歯から永久歯に生え変わる時期は、「ugly ducking stage(みにくいアヒルの子の時期)」と言われ、歯のすき間が出来て歯や歯肉がデコボコした感じの時期で磨きにくさもあったりしますし、生えたばかりの歯はエナメル質が幼若なのでフッ化物を有効に取り入れていきましょう。
最近は高齢者の歯の根っこのむし歯も増えていて、大人になってもフッ化物を日常の口腔ケアに取り入れるのは有効です。
企業健診でも最近の若い方はむし歯がほとんどなく、歯科医師からみるとこうしたフッ化物を取り入れた歯であることがわかります。
そんな時は、「親御さんに感謝だね。これからも大事にするんだよ。」とお話しています。
でも、そういう方でも歯肉炎、歯周病への兆しはあります。
まずはむし歯対策をしっかり身につけて歯周病とは一生向き合って対策していきましょう。
記事監修
安田恵理子先生
日本口腔衛生学会専門医
日本産業衛生学会 産業歯科保健部会長
プロフィール
1988年 朝日大学歯学部卒業後、神戸市立中央市民病院歯科口腔外科研修医から歯科医師としての臨床スタートをし、兵庫医科大学大学院(口腔外科)で医学博士取得。子育てを通して予防の大切さを感じ、現在、大阪歯科大学歯学部口腔衛生学講座非常勤講師、COH労働衛生コンサルタントとして教育および企業での健診など予防啓発活動に従事し、またクリニック勤務で歯科臨床にも携わっている。