【産後の体のケア】産褥期とは?体の変化や対処法を説明
「うがいが上手に出来るようになったら」
2024.03.15
記事監修
安田恵理子先生
日本口腔衛生学会専門医
日本産業衛生学会 産業歯科保健部会長
子どもの成長の過程で、ブクブクうがいが上手に出来るようになるのは4歳頃を目安としています。
母子手帳に記載の質問項目でも、4歳頃に「歯磨き、口ゆすぎ(ぶくぶくうがい)手洗いをしますか」というのがあります。
このうがいは風邪予防等のようなのどの奥でガラガラとするうがいではなくて、ほっぺをふくらませて歯の周りをブクブクとするうがいです。
4歳未満では誤嚥のリスクが高いので対象としていませんが、うがいが上手に出来るようになってくるとフッ化物洗口というむし歯予防法があります。
フッ化物洗口とは、歯のエナメル質にフッ化物を作用させる方法で特に萌出まもない永久歯エナメル質は成熟がすすんでいないので効果的とされ、4歳から14歳までの期間に実施することを推奨されています。
水道水にフッ化物を添加するフロリデーションは欧米では効果的であると広まっていますが日本ではなかなか広がらないので、子ども達の健康格差を縮小するという意味でも集団施設(保育園や幼稚園、学校等)で実施することが望ましく、週一回または毎日という形で実施しているところもあります。
個人的に必要に応じて歯科医院で歯科医師に相談して指示の下、家庭でのフッ化物洗口を取り入れても良いと思います。
歯科医院でも洗口液を購入して実施できますので、御相談してみて下さい。
フッ化物の濃度は日本では欧米に比べてかなり低いので、フッ化物洗口とフッ化物入りの歯磨き剤による歯磨きも並行して行って下さい。
また、歯科医院のチェアーに座ってお口を開けるのが出来るようになってくると一つ一つの歯に対してのフッ化物歯面塗布(シーラント等)も出来ます。
こうした予防処置や歯やお口を健康に維持することにお子様が楽しく取り組めるためには、どうすれば良いでしょう?
何よりむし歯になってから痛くなってから歯医者さんに行くのではなく、「何だかお口クチュクチュしたり、歯磨きレッスンしたり、歯医者さんって楽しいところだな!」とお子様が思うことが一番大事です。
子どもの時に痛い思いをした方が、歯医者嫌いになって受診をつい先延ばしにしてしまい大人になってからむし歯、歯周病で苦労している例は、私の実感としても多く見受けられます。
まさに「三つ子の魂、百まで」ですね。
もう少し早く歯科受診してくれていたら歯科健診を受けて意識を高めてくれていたらと思う患者さんがいらっしゃいますし、御本人もそうおっしゃられます。
ということは、今までお話したような親子の触れ合いを中心とした赤ちゃんの頃からの哺乳、離乳食、食事の与え方をはじめ、お口をスッキリすることの気持ちよさ、歯磨き仕上げ磨きタイムの楽しさ等が大事なベースとなるのですね。
記事監修
安田恵理子先生
日本口腔衛生学会専門医
日本産業衛生学会 産業歯科保健部会長
プロフィール
1988年 朝日大学歯学部卒業後、神戸市立中央市民病院歯科口腔外科研修医から歯科医師としての臨床スタートをし、兵庫医科大学大学院(口腔外科)で医学博士取得。子育てを通して予防の大切さを感じ、現在、大阪歯科大学歯学部口腔衛生学講座非常勤講師、COH労働衛生コンサルタントとして教育および企業での健診など予防啓発活動に従事し、またクリニック勤務で歯科臨床にも携わっている。