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「1歳半歯科健診について~子育ては家族や社会で支え合おう~」

2024.01.17

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記事監修

安田恵理子先生

日本口腔衛生学会専門医
日本産業衛生学会 産業歯科保健部会長

新生児の頃は歯が生えていませんでしたが、実は歯ぐきの奥の骨の中に図のように乳歯が育っていて、少しずつ大きくなっていきます。
そして上下の乳前歯が生え、乳臼歯が生え始めている1歳半頃には骨の中では乳臼歯や乳犬歯、6歳頃生える永久歯の第一大臼歯が骨の中で育っています。

「赤ちゃんのために妊婦さんは何食べる?」にもお話したように、目に見えなくても歯は育っていっているので栄養あるものをしっかり食事でとるようにしましょう。

憶えていますか?
「基礎を作るたんぱく質。豆腐や牛乳、卵、魚やお肉ですね。
エナメル質を作るためには、ビタミンA。にんじんやほうれん草、レバー等です。
歯の石灰化を助けるものとしては、カルシウムやリン。カルシウムはチーズやしらす干し、ひじき等に豊富です。リンは卵、お米、牛肉、豚肉等に含まれます。
石灰化やカルシウム代謝には、ビタミンDも必要です。
牛乳やバター、卵等食べ物から摂取するだけでなく、太陽の光を浴びることもとても大切です。
そして歯の表面のエナメル質の内側に存在する象牙質を作るためには、ビタミンC。
ミカン等果物や、さつまいも、ほうれん草等に多く含まれますね。」
子どもが美味しい!と食べる食事にさりげなく栄養のあるものをバランス良くいれてあげて下さいね。

母子保健法を根拠とする法定健診として、1歳6か月児健診があります。
以下はそれまでの期間、母子手帳の保護者記入欄にある1歳6か月までの歯科に関連する質問項目です。
完璧には出来てなくて良いですし、月齢に応じて様子はどうですか?
離乳食って大事なことがわかりますね。

子どもが生まれて1年半、栄養も考えて離乳食も頑張って、歯磨きもスタートして、本当にご苦労様。良く頑張ってきましたね。
核家族のお母さん達は相談するところもなく孤独に抱え込んでいませんか?
今の時代SNSの情報はあふれ、頭でっかちになっていませんか?

1歳6か月児健診は出産後、初めて市役所や町役場で同じ年頃の子ども達や育てているお母さん達に会える良い機会です。
コロナ禍も終われば、子どもが集まるイベントやパパママが交流できる機会も増えてきます。
人との出会いが親子の交流の広がりが、子育てや人生に彩を添えてくれると思いますよ。

母子手帳には、それぞれの成長段階でのチェック項目だけでなく、保護者が子どもの発育のちょっとしたことや悩みごとなども記録したりメモすることもできます。
その時にしか書けないものですので、是非、記載してみて下さい。

将来子どもが大人になった時、お母さんお父さんが自分を育ててくれた記録を見て感じることがあることでしょう。

実際私が衛生士学校で母子保健の授業をする時、必ず自分の母子手帳を持って来てもらうのですが、お母さんの字で「寝返りが出来た」とか「ハイハイが出来た」とか「ま、まーと言ってくれた」とか書いてくれているのを見て、こうやって大事に育ててくれたんだと生徒さん達も感動して改めて親子の会話に繋がったり、自分が医療職の勉強をする励みになったりしているようです。

1歳6か月児健診では、歯科健診もあります。

歯磨き剤に高濃度のフッ素が入っているものを使うことで歯質強化してむし歯を予防しましょう。
わからないことは何でも歯科医師、保健師さんに相談してみましょう。
ポイントは一人で抱え込まないことです。
子どもは社会の宝です。
お父さんお母さんを中心に社会で見守って、育てていきましょう。

記事監修

安田恵理子先生

日本口腔衛生学会専門医
日本産業衛生学会 産業歯科保健部会長

プロフィール

1988年 朝日大学歯学部卒業後、神戸市立中央市民病院歯科口腔外科研修医から歯科医師としての臨床スタートをし、兵庫医科大学大学院(口腔外科)で医学博士取得。子育てを通して予防の大切さを感じ、現在、大阪歯科大学歯学部口腔衛生学講座非常勤講師、COH労働衛生コンサルタントとして教育および企業での健診など予防啓発活動に従事し、またクリニック勤務で歯科臨床にも携わっている。

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