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「さあ、離乳食です!いろんな食べもの知っていこう!」

2023.12.20

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記事監修

安田恵理子先生

日本口腔衛生学会専門医
日本産業衛生学会 産業歯科保健部会長

よだれが多く出てくる頃は、支え無しでも座ることも出来るようになり自分からものをつかんだり、両手でもったり持ち替えたりできるようになります。
スプーンから飲むことも出来るようになってきますので、スプーンでミルク以外のお茶とか果汁等の味覚を味わうようにしていくことも離乳食への導入になります。

この頃は「あー」「うー」といった口の形を変えて作る母音だけでなく、「パッパツ」「マッマッ」といった口唇を使って作る子音が発声でき、赤ちゃん言葉も言うことが出来るようになってきます。
この時期になってくると、舌の動きも前後運動に上下運動も出来るようになって唇を閉じて飲み込むことが出来るようになります。

つまり、4カ月くらいまでの「チュチュ 哺乳期」から「ごっくん 離乳初期」に入って離乳食のスタートとなります。
まず子どもの成長をざっくり把握しておきましょう。

成長の段階は個人差があるので焦らず、その子にあったやり方で進めていくことが大事です。なんでも早く出来ることが良いということではありません。
他のお子さんと比べてどうとか、情報の波に飲み込まれないようにして下さいね。

この時期から幼児期、児童期としっかり噛むことや嚥下することを身につけさせてあげることは一生の基本になりますので、ひとつひとつの成長を親子で楽しんでいって下さい。

無理に固い食べ物を食べさせたり、早く食べることを急かしたりすると、良く噛まずに丸のみする癖がついたりするかもしれません。
逆にいつまでも柔らかいもの、噛みやすいものばかりだと噛む力が育まれず、咀嚼・嚥下が下手になってしまうかもしれません。

良く噛むことで唾液が多く出て、食べ物の美味しさを感じ、栄養をしっかり取って成長していけます。
なるべく素材そのものの味を感じることができるよう濃い味付けをやめることで、味覚も発達していきます。

そして大事なのは食事のリズム、生活のリズムを整え、食事時間が家族のふれあいの楽しいひとときとなるようにしてあげて下さい。
子どもにとっても親にとっても、愛情をいっぱいもらった経験、無意識に拠り所となって、心の安定や成長にも繋がっていくと思います。

また私達が食べて嚥下するという流れを無意識にスムーズに出来ているのは、授乳期から培ってきた舌や口腔の筋肉が歯で噛むことと共に連動して出来ているからです。

随分先のことかもしれませんが、高齢になって筋肉が衰えてくるとお口の動きもスムーズに出来ない「オーラルフレイル」となって、食事を楽しめなかったり、誤嚥性肺炎を起こしたりするようになります。
咀嚼・嚥下は健康に過ごすためには一生重要なので、その為のレッスンの入口だと思って下さいね。

記事監修

安田恵理子先生

日本口腔衛生学会専門医
日本産業衛生学会 産業歯科保健部会長

プロフィール

1988年 朝日大学歯学部卒業後、神戸市立中央市民病院歯科口腔外科研修医から歯科医師としての臨床スタートをし、兵庫医科大学大学院(口腔外科)で医学博士取得。子育てを通して予防の大切さを感じ、現在、大阪歯科大学歯学部口腔衛生学講座非常勤講師、COH労働衛生コンサルタントとして教育および企業での健診など予防啓発活動に従事し、またクリニック勤務で歯科臨床にも携わっている。

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