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「お食い初め、よだれ沢山はWelcomeです!」

2023.12.12

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記事監修

安田恵理子先生

日本口腔衛生学会専門医
日本産業衛生学会 産業歯科保健部会長

昔から生後100日前後になると「一生食べ物に困らないように」という思いを込めて、「お食い初め(百日祝い)」の儀式をします。
我が家もお宮詣りをした時に神社でいただいた祝い箸や食器で、「お食い初め」をした思い出があります。

この儀式では、赤ちゃんの口元にお箸を近づけ、お祝いの料理を食べさせる真似をします。食べさせる真似をするのは「養い親」と呼ばれる人で、儀式に参加している親族の最年長の方(御祖父さんか御祖母さん)、または夫婦だけだとお父さんまたはお母さんがお互いする形でもと言われています。

献立は一汁三菜で、一般的に尾頭付きの鯛、赤飯、煮物、お吸い物です。
そして歯固め石(地域によってはタコなど硬いもので、我が家はタコでした)を用意します。
まだ離乳食も始まっていない時期なので、食べさせる真似だけです。

そして、一番最後に「石のように丈夫な歯が生えて、健康で長寿となりますように」と願い、祝い箸を歯固め石(または硬い食べ物)の表面に触れさせて、その箸先を赤ちゃんの歯ぐきにちょんちょんと優しく当ててあげます。

今、健康寿命延伸の為には歯の健康が大事と言われていますが、日本の風習としてこうしたお食い初めがあったということは、昔の人は健康に一生過ごすためには歯が大事だということを既にわかっていたのだなぁと、改めて感慨深いです。
是非、皆様も赤ちゃんの健やかな成長を願ってお祝いして下さい。
これからも伝えていって欲しい、素晴らしい風習だと思います。

こうして、おかげ様で我が家の二人の子ども達も、歯は丈夫に育ってくれました。

ところで赤ちゃんと言えば、かわいいスタイ(よだれ掛け)をしているイメージありますね。
早ければ生後3か月お食い初めの頃くらい、だいたい4~5か月くらいからよだれは増えてきます。よだれとは、唾液のこと。
唾液は実は宝の水と言っても良い程多くの働きがあって、唾液がたくさんでることは赤ちゃんだけでなく、大人にとっても大事なのです。

唾液の働きの主なものとして、抗菌作用や歯質保護作用、緩衝作用等があり、これはむし歯予防にとても重要ですがこのことは別のコラムで詳しくお話しますね。

何より乳児期の赤ちゃんにとっては、消化作用、潤滑作用、粘膜保護作用、味覚作用といった唾液の働きがお口を潤し、嚥下や発音を円滑にしたり、食物を味わい、消化を促進するためにとても大事です。
唾液が沢山出てくるということは、そろそろおっぱいやミルクではなく、離乳食をスタートしましょうというサインです。

赤ちゃんはまだ口を閉じておく力が弱いので、どうしても唾液が外にあふれでてよだれになってしまいます。
離乳食を進めてしっかり噛んで食べることが出来てくると、無意識のうちに唾液も飲み込むことが出来るようになってよだれも減ってきます。

食べ物をしっかり噛んで食べると唾液は多くでますし、歯が生える時にも多く出ます。
歯が生える時は歯ぐきがかゆくて、おもちゃとかを噛んだりするのでわかると思います。
なので、よだれ万歳!

服やスタイがびっしょり濡れてとっかえひっかえ洗濯物が増えるのは、成長している証拠なんだと喜んで下さい。
むしろ、今しか楽しめない可愛いおしゃれを楽しんじゃいましょう!

記事監修

安田恵理子先生

日本口腔衛生学会専門医
日本産業衛生学会 産業歯科保健部会長

プロフィール

1988年 朝日大学歯学部卒業後、神戸市立中央市民病院歯科口腔外科研修医から歯科医師としての臨床スタートをし、兵庫医科大学大学院(口腔外科)で医学博士取得。子育てを通して予防の大切さを感じ、現在、大阪歯科大学歯学部口腔衛生学講座非常勤講師、COH労働衛生コンサルタントとして教育および企業での健診など予防啓発活動に従事し、またクリニック勤務で歯科臨床にも携わっている。

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