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不安をそのままにしない。そして迎えた、想像以上に楽しい育児

2023.08.04

この人に聞きました

柴山 ももか(仮名) さん

20代・会社員4ヶ月の男の子

兵庫県出身。大阪の会社に所属する会社員で、現在は育児休暇中。最近のお楽しみは、近所の大好きなアイスクリーム屋さんにお散歩がてら家族で出かけること。

春に出産し、ベビーとの新しい暮らしをスタートさせた柴山さん。
現在は夫婦2人で育児休暇を取得し、初めての子育てまっただ中です。
妊娠中は新しい家族を迎えることを楽しみにしながらも、体調の変化や変わっていく日常生活に不安を覚えることもあったそう。
でもそんな日々を乗り越えて「今は毎日がすごく楽しい」と話してくれました。
その秘訣は、自分の不安と冷静に向き合ってきたことだそうです。

育児ってずっと続いていくもの。
だから、ガマンはしないと最初に決めた

以前はご夫婦の職場がある大阪に住んでいたという柴山さんご夫婦。妊娠が分かった2カ月後には今の明石市の住まいに引っ越しました。

柴山さん明石市に引っ越したのは、私の実家が近いことと、子育て支援の充実ぶりが決め手でした。子育て支援があることで、きっと同年代のファミリーも多いだろうと期待したのもあります。
実家にはべったり頼りたいわけではなくて、何かあった時にすぐ助けてもらえる安心材料がほしかったというところが大きいですね。夫も、私が「実家が近い方が安心できる」と話すと移住を快諾してくれました。

コロナ禍を機にご夫婦それぞれのお仕事が在宅メインとなり、育休明けの出社も週1~2回の予定だとか。最寄り駅は快速電車が止まるため、出勤も外出も困らないのだそう。
「今の住居に決めたことで、まず住まいに安心できました」と語る柴山さん。「まず」とはどういう意味でしょうか?

柴山さん私、不安やモヤモヤを抱え込むことができない性分なんです。
子どもはずっと楽しみにしていたんですが、出産・育児について不安だったのが「1人では絶対ムリじゃない!?」ということでした。育児ってずっと続くものだし、とにかくムリしない暮らしをつくれるよう、環境を整えたいという思いがあったんですよ。そこでまず整えたのが住環境だったんです。

柴山さんは「とてもいい町なので、結果として大正解でした!」と笑顔を浮かべます。他にも、出産・育児についてこれまでどのように工夫を凝らしてきたのでしょうか。

出産・育児にマンパワーは
どれだけあってもいい、と実感

新たな町にも慣れ、出産後の現在はご夫婦ともに育児休暇を取得し、家族3人で過ごす毎日。初めての育児に戸惑うことも多いけれど毎日が楽しい、と語る柴山さんは、「夫がすごく協力的なので助かっています!」と笑顔を浮かべます。
以前から2人で育てようと思っていたのですか?と伺うと、「それも決めていました!」と力強く話してくれました。

柴山さん妊娠が分かる前から、夫とは子どもは2人で一緒に育てようと話していました。
ワンオペ育児は大変だって聞くし、赤ちゃんと私だけの世界で毎日暮らしていくのは性格的に難しいと確信していて。「1人じゃ乗り越えられないよ」って正直に打ち明けたら、気持ちをくみ取ってくれました。これも不安を先延ばしにしないために動いたことの一つです。

幸い、夫は育児にすごく積極的な人で妊娠中はいつも以上に家事をしてくれましたし、早くから育児休暇を取ると明言してくれたので安心できました。
実際に育児してみたらすごく楽しいみたいで、今は私よりも子どもの面倒を見てくれていますよ(笑)。育児休暇も4カ月の予定だったところを半年に延長するそうです。

もともと共働きで、夫婦だけの生活の頃から上手に家事分担ができていたそう。その上で妊娠中に細やかにサポートしてくれたことが、2人で育てていくビジョンに繋がり、不安がいっそう和らいだそうです。

柴山さん実際に出産してみて思うのは、子育てにおいて、大人の手ってどれだけあってもいいんだなっていうことです。
いくら子どもが可愛くても嬉しい楽しいばっかりじゃないし、しんどい、面倒くさいこともやっぱり出てきます。それに当たり前だけど日常の家事もしなくちゃいけない。
そんな時、家の中に子どもと2人だけでいると、しんどくなったときに逃げ場がないと思うんです。でも大人2人+子どもなら育児と家事の分担ができるし、外出するのもおっくうにならないし、しんどいときに「しんどい」って言い合える。
お互いの存在に救われますし、暮らし全体が円滑に回ることが心の余裕に繋がります。

ワンオペ育児の負担の大きさは、世間でもたびたび話題になります。育児って毎日続く新しい暮らしですから、心身ともに負担が軽いことってすごく大事なことですね。夫婦2人での育児が想像以上に楽しく、事前に夫婦でしっかり話しておいて良かったと話してくれました。
ちなみに、柴山家の家事はもともと当番制ではないんだそうです。

柴山さん当番制にすると、相手の動きが気になりませんか?もうやってくれたのかなってついチェックする目になっちゃうんです。だから気付いた方がやるとか、手が空いている方がやるとか、その時々で分担しています。お互いが感謝する姿勢でいれば自然とバランスが取れると思いますよ。

気持ちに余裕がないと感謝の言葉を忘れちゃうこともあるんですけどね、と笑う柴山さんですが、家事も暮らしの一部と考えれば、お互いの心がけ一つで変わることもあるんでしょうね。
柴山さん自身は一年間の育児休暇の後、フルタイム勤務に戻る予定だそう。

柴山さん初めての育児、1人じゃムリだなって夫婦2人でスタートしましたが、やってみて想像以上に良かったです。夫婦2人の育児休暇期間は、これからの人生できっと忘れられない日々になりそう。
ご家庭ごとに事情はあると思うんですが、可能ならぜひやってみてほしいです。お母さんもラクだし、何より毎日が楽しい。
世間的には男性の育児休暇ってまだまだ珍しいのかも知れないですが、もっと当たり前の権利として広まっていくといいですよね。

甘える自分を許すこと。
「お互い様」と思える相手には頼ったっていい

子育ては大変だけどすばらしいもの。だからこそ楽しみたい。柴山さんはご自身の性格やキャパシティを冷静に考えた結果、他にも「ムリなガマンをしない」を実践していました。

柴山さん夫以外だと、友人たちにも甘えさせてもらいました。
コロナ禍の妊娠で外出もままならず、気分転換が難しかった時。安定期に入ったはずなのに、ひどいつわりが続いた時。
物理的に助けてもらうというより、不安やモヤモヤを聞いてもらって、それだけで救われました。久しぶり、元気? なんて近況報告しながら「また会いに行くね」って言ってもらえただけで気分がリフレッシュしましたし、すごくありがたかったです。

ご友人たちの間では初の出産経験者になったという柴山さん。これから周囲の人が妊娠・出産を迎える際には、恩返しのつもりでたくさん助けてあげたいといいます。

柴山さん命を授かって、自分と赤ちゃんをまもりながら過ごしていく妊娠期間ってほんとうに大変な時期。私は「しんどい気持ちを抱え込まない」を実践していたら、精神的にかなり安定できました。これから出産を控えているママさんたちも、不安やつらいことを1人で抱え込まないでほしいです。深刻なことになる前に、「しんどいときはお互い様だよね」って思えるような相手にはぜひ頼ってください。
少しでも気持ちをラクに、子どもさんとの暮らしが「続いていく幸せな日常」になるよう応援しています!

文 Atsuko Yoshimura
写真 Junya Tanaka

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