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「歯が抜けた!Part3」

2024.04.10

記事監修

安田恵理子先生

日本口腔衛生学会専門医
日本産業衛生学会 産業歯科保健部会長

子どもは思いっきり遊んで、しっかり食べて、ぐっすり眠って日々成長していきます。
子育て中は一日があっという間に終わってしまって、親としても体力勝負です。
大変ですが二度と帰らない貴重な時間です。

そんな時期にママ友とフィリップ・ビゴさん(フランスパンを日本に伝えた方)のパン作り教室に行ったことがあります。
パン生地を作る時に小麦粉を手でしっかりと練るのですが、機械ではなく手で練ったほうが、やはり味わいが違うとおっしゃっていました。
また、最初は手にまとわりつくようだった生地がそのうちグルテンが出てきて、スッと手から離れる瞬間が来ます。
ビゴさんは「これは子育てと同じです。手をかけて大変な時期もありますが、しっかりと向き合っていれば子どもは成長してスッと手から離れていきますね。」とおっしゃっていて、ママ友達と「ホントね~」と言いながら、パン作りをした思い出があります。
ビゴさんはもう他界されてしまい淋しいですが、心に残る名言を伝えて下さったなと思います。

個人の違いかもしれませんが、男女差もあるかと感じたのは公園でのうちの息子達の元気有り余る様子です。
女の子のお母さん達は、砂場の横でお子様の様子を見ながらお喋りして過ごしているのですが、私はふと気づくと息子が水たまりに入って泥だらけを楽しんでいたり、公園の中の遠い場所まで行ってて探しに行ったり、人工池にドボンとはまっていたり、もうフラフラでした(笑)

なので少し大きくなると水泳やサッカーをすることで、発散できているようでした。
怪我もしょっちゅうで、幼稚園から電話があってブランコから飛び降りた場所で何かにぶつかったとかで腕を骨折したり、擦り傷や怪我の場所から成長していった感じです。

でも思いっきり身体を動かすことでこけ方も学ぶというかちゃんと手をついたり、身体を丸めたりと瞬間的に出来るようになります。

ところがそれが出来ないと、歯が破折したり、脱臼といって抜けてしまうことも良くあります。
歯の折れた場所によって、欠けていても大きなダメージが無い場合と歯の神経の処置をしないといけない場合があるので早く歯科医院に連れていって診てもらいましょう。

歯が抜けた時も慌ててはいけません。
抜けた歯の根っこの周りには、ビロビロとした繊維のようなものがついているかと思いますが、それは歯根膜といって歯と骨を繋いでいるクッションのような役割があり、触覚や痛覚もあり、とても重要な組織なので絶対それをはがしたりしないで下さいね。

とにかく乾燥させないようにして歯科医院に持って来て下さい。
生理食塩水があれば一番良いですが、なければ牛乳に漬けて一刻も早く歯科医院受診して下さい。
再植といって元に戻せる場合もあります。

唇やお口の粘膜が傷つくと出血したり、腫れたりするのでかなりビックリしますが、
よほど大きな傷でなければ数日すれば治まりますから、落ち着いて対処しましょう。

スポーツの種類によってはマウスガードをすることもありますが、必ず歯科医院に相談して作成してもらいましょうね。

記事監修

安田恵理子先生

日本口腔衛生学会専門医
日本産業衛生学会 産業歯科保健部会長

プロフィール

1988年 朝日大学歯学部卒業後、神戸市立中央市民病院歯科口腔外科研修医から歯科医師としての臨床スタートをし、兵庫医科大学大学院(口腔外科)で医学博士取得。子育てを通して予防の大切さを感じ、現在、大阪歯科大学歯学部口腔衛生学講座非常勤講師、COH労働衛生コンサルタントとして教育および企業での健診など予防啓発活動に従事し、またクリニック勤務で歯科臨床にも携わっている。