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出産直後から授乳中の便秘 〜原因、対応、薬の使い方を詳しく解説〜

2024.06.12

授乳中は育児の忙しさもあり、生活や食事が不規則になりがちです。また運動できない場合も多く、便秘に悩まされるお母さんは少なくありません。
そんな授乳期の便秘の原因、対処方法と薬の使い方についてまとめました。

出産直後の便秘の原因と慢性化してしまう原因について

出産直後の便秘の主な原因は、「妊娠中から分娩周辺の時期にかけてのホルモン変化の名残で起こる、腸運動の低下や骨盤周囲の筋肉の緩み」と考えられています。産道(腟や会陰部)の傷に対する恐怖感が便秘に影響するという意見もあります。

それらの経過は産後数週間経つと徐々に落ち着き、便秘も自然に治っていくことが多いです。しかし、なかなか治まらず慢性化する場合、別の原因があるかもしれません。

便秘が慢性化する時のよくある原因としては、
・薬の副作用
・水分不足
・食物繊維の少ない食事
・運動不足
等が挙げられます。

授乳時、便秘になった時の対応は?

【出産直後の場合】
排便時、分娩中にできた傷が開くことは通常殆どありませんので、しっかりいきむことは問題ありません。傷の痛みが不安な場合は、鎮痛剤でしっかり痛みのコントロールを行いつつ、便意を我慢しないことが便秘悪化の予防には大切です。

【産後数週以降】
便秘を悪化させる副作用の可能性のある薬(鉄剤、胃薬などの制酸剤、降圧薬、抗うつ剤など)をお使いなら、薬の調整が可能かどうか主治医に相談されると良いでしょう。食事内容に心当たりがあれば、水分や食物繊維の摂取を増やしてみるのも良いと思います。

また、適度な運動も大切です。腸の動きを活発化し、緩んだ骨盤底筋が元に戻るサポートにもなります。

上記の対応でも改善せず、排便が週に3回も無いような場合、便秘薬をお考えになると良いでしょう。

便秘薬の選び方、使い方について

授乳中でも安全な便秘薬として広く使用されているものを以下にご紹介します(カッコ内は代表的な商品名)。

(1)便を柔らかくする薬 
・酸化マグネシウム(酸化マグネシウム®︎)
・水酸化マグネシウム(ミルマグ®︎)

(2)腸の動きを促す薬 
・センノシド(センノシド®︎)
・ピコスルファートナトリウム(ラキソベロン®︎)

一般的には(1)の種類から始め、数日経ても効果の乏しい場合に(2)の薬を追加することが多いです。
薬を選ぶ時の参考にもなりますので、便の様子、便秘薬の使用歴等の情報を、担当医に伝えると良いでしょう。

便秘の原因が分かれば、それぞれの方に合う対応がしやすくなると思います。是非このジャーナルの内容をご参考下さいね。

参考文献
・National Institutes of Health. Drugs and Lactation Database (LactMed).
・国立成育医療センター. 授乳中に安全に使用ができると考えられる薬.

(産婦人科医 田村真希)